消化器内科の診療対象となるのは、食道、胃、十二指腸という食べ物の通る場所(消化管)および肝臓、胆道(胆嚢・胆管)、膵臓、脾臓などの腹部にある臓器の疾患です。これらの疾患について適切な診断をし、非手術的治療を担当するのが消化器内科です。したがって常に最新の専門的知識をもって診療に当たる必要があり、個々の患者様の病態に対し最良の治療を選択できるよう心がけています。
当院では主に以下の検査を行っています。
■ 超音波検査
■ 上部消化管内視鏡(※現在新型コロナウイルス感染症対策のため中止しております)
必要に応じ専門病院への紹介を行います。
どんな病気も早期発見・早期治療は鉄則です。
下の表をご参考に、気になる症状がある方はまずはお気軽に受診してください。
疾 患 | 症 状 |
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食道のポリープ・腫瘍 | 食べ物がつかえる感じ |
胃食堂逆流症、逆流性食道炎 | 胸やけ、酸っぱい水がこみ上げてくる感じ、食べ物がつかえる感じ、げっぷ |
食道・胃静脈瘤 | 吐血、下血 |
胃・十二指腸潰瘍 | 腹痛、吐き気、吐血、下血 |
肝機能障害 | 症状はなく血液検査で発見される |
肝腫瘍 | 無症状のことが多く画像検査で発見される |
胆石(胆嚢結石、総胆管結石) | 腹痛、黄疸、発熱 |
胆嚢ポリープ・腫瘍 | 無症状のことが多く画像検査で発見される |
膵炎 | 腹痛、発熱 |
胆石(胆嚢結石、総胆管結石) | 腹痛、黄疸、発熱 |
胆嚢ポリープ・腫瘍 | 無症状のことが多く画像検査で発見される |
膵炎 | 腹痛、発熱 |
■ 超音波検査(腹部)について
腹部超音波の検査をします。
≪検査の内容≫
腹部皮膚表面部分に超音波を発信する装置をあて、内臓からの反射波をその装置が受けとり、電気信号にかえてモニターに写します。
きれいな画像が得られるように、装置をあてる部分にはゼリーを塗ります。
≪検査でわかること≫
当院の超音波検査では肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などに腫瘍があるか、他にも膀胱や前立腺、子宮、大動脈、リンパ節の異状や、胆のうに胆石などがあるかを調べます。
超音波検査では、超音波が入りにくい部分があるため、全域を観察できないことがあります。
特にすい臓は奥深い場所にあるため、見にくくなります。
≪代表的な疾患名とその内容≫
脂肪肝 | 肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態です。糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病と密接な関係があり、内臓脂肪型肥満や飲酒が原因であることが多いです。脂肪肝から肝硬変・肝細胞癌へ発展することがあり、脂肪肝が見られる人は生活改善が必要です。 |
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肝腫瘍 | 肝臓の腫瘍には良性腫瘍から悪性腫瘍まで色々な腫瘍があります。肝臓の悪性腫瘍には肝臓自体から発生した腫瘍(原発性腫瘍)と他の部位から転移してきた腫瘍(転移性腫瘍)があります。原発性腫瘍では肝臓がんが多くを占め、転移性腫瘍では、消化管、胆道、膵臓、子宮、卵巣等に発生した腫瘍からの転移が多くを占めます。 |
胆嚢結石 | 胆嚢内に形成された結石のことで胆嚢炎や胆管炎の原因となります。胆嚢壁の肥厚を伴う場合や結石の後方の胆嚢壁が十分に観察できない場合には悪性腫瘍との鑑別のため精密検査が必要です。 |
胆管結石 | 肝外胆管(肝臓から十二指腸への胆汁の通り道)にある結石のことです。膵臓炎や黄疸の原因となるため早急に治療が必要です。超音波検査では胆道気腫と紛らわしいことがあります。 |
胆嚢ポリープ | 胆嚢の内側にできる隆起です。人間ドック受診者の10%程度に見られると言われています。10mm未満でかつ良性であることを示す所見が認められる場合は問題ありません。 |
胆嚢腫瘍 | 胆嚢には良性の腫瘍(多くの胆嚢ポリープ)だけでなく、胆嚢がんなどの悪性の腫瘍ができることもあります。 |